ところは四川(スーチワン)省西南部。海抜四八〇〇~七八〇〇メートルの高山に、世界でもめずらしい琪桐(ホントン)という植物が生えている。外国の植物学者たちはこれを〈中国のハトの木〉とよんでいる。高さおよそ二〇メートル、幹はまっすぐで、葉を円錐形にしげらせている。葉の表はなめらかで、裏にはビロードのような薄毛が生えている。花には花弁がなく、多くの花があつまって球のようになり、二つの乳白色の苞におおわれ...
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ところは四川(スーチワン)省西南部。海抜四八〇〇~七八〇〇メートルの高山に、世界でもめずらしい琪桐(ホントン)という植物が生えている。外国の植物学者たちはこれを〈中国のハトの木〉とよんでいる。高さおよそ二〇メートル、幹はまっすぐで、葉を円錐形にしげらせている。葉の表はなめらかで、裏にはビロードのような薄毛が生えている。花には花弁がなく、多くの花があつまって球のようになり、二つの乳白色の苞におおわれ...