北京郊外の西山(シーシヤン)の森の中に、おもしろい菌類植物が生える。形は野球のボールのようで、熟すると中味が黒い粉になる。知らずにそれをふみつけようものなら、黒い粉がもうもうと立ちのぼり、まるで催涙弾をうけたかのようにくしゃみと涙が出て、なかなかとまらない。地元の人はこれを〈鬼噴煙〉つまりお化けの吐く煙と呼んでいるが、漢方薬の分野ではお化けどころか、りっぱな止血剤として使われており、熟するまえは食...
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北京郊外の西山(シーシヤン)の森の中に、おもしろい菌類植物が生える。形は野球のボールのようで、熟すると中味が黒い粉になる。知らずにそれをふみつけようものなら、黒い粉がもうもうと立ちのぼり、まるで催涙弾をうけたかのようにくしゃみと涙が出て、なかなかとまらない。地元の人はこれを〈鬼噴煙〉つまりお化けの吐く煙と呼んでいるが、漢方薬の分野ではお化けどころか、りっぱな止血剤として使われており、熟するまえは食...