むかし、あるところに一人の金満家がいたが、世のたとえにもれずひじょうにけちんぼだった。ある日、父の誕生祝いにかこつけてひともうけするために数人の上客をよんで宴席をはることになった。酒がはこばれると、金満家はまず自分の杯をなみなみとみたし、客たちの杯には半分しかついでやらなかった。「さあみなさん」と金満家はいった。「何もありませんが、まず、乾杯しようではありませんか!」すると客の中から声がかかった。...
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むかし、あるところに一人の金満家がいたが、世のたとえにもれずひじょうにけちんぼだった。ある日、父の誕生祝いにかこつけてひともうけするために数人の上客をよんで宴席をはることになった。酒がはこばれると、金満家はまず自分の杯をなみなみとみたし、客たちの杯には半分しかついでやらなかった。「さあみなさん」と金満家はいった。「何もありませんが、まず、乾杯しようではありませんか!」すると客の中から声がかかった。...