早いものであれから三〇年の年月がたちます。一人の同志がわたしのそばを離れてただ一人敵にむかって進んでいった時の光景は、いまも常にわたしの胸に深く焼きついていて離れません。彼は魯徳春(ルートーチユン)といってわたしの護衛兵でした。戦闘中に負傷してそれいらいびっこになっていましたが、敵に包囲されたわたしを脱出させるために、自分からあの憎むべきおおかみの群れのなかに進んでいったのです。その時の彼のきびし...
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早いものであれから三〇年の年月がたちます。一人の同志がわたしのそばを離れてただ一人敵にむかって進んでいった時の光景は、いまも常にわたしの胸に深く焼きついていて離れません。彼は魯徳春(ルートーチユン)といってわたしの護衛兵でした。戦闘中に負傷してそれいらいびっこになっていましたが、敵に包囲されたわたしを脱出させるために、自分からあの憎むべきおおかみの群れのなかに進んでいったのです。その時の彼のきびし...