三国時代の呉の焼き物は、以前にも出土品はあるが、最も価値のあるのは、永安三年の銘をもつこの壺であろう。この壺は、一九三九年に浙江省紹興の付近から出土したもので、いっぱんの出土呉器の例にもれず、装飾に亭や人物をつみあげてあるが、しかしこの壺の人物、飛鳥、楼閣は特別にこみいっている。注目すべきは飾りのなかに碑があって、上の方に「永安三年時」、下に「富且洋宜公卿多子孫寿命長千意万歳未見英」の碑文が読まれ...
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三国時代の呉の焼き物は、以前にも出土品はあるが、最も価値のあるのは、永安三年の銘をもつこの壺であろう。この壺は、一九三九年に浙江省紹興の付近から出土したもので、いっぱんの出土呉器の例にもれず、装飾に亭や人物をつみあげてあるが、しかしこの壺の人物、飛鳥、楼閣は特別にこみいっている。注目すべきは飾りのなかに碑があって、上の方に「永安三年時」、下に「富且洋宜公卿多子孫寿命長千意万歳未見英」の碑文が読まれ...