……曹操というと、すぐに『三国志演義』を連想し、それからまた芝居の舞台にあらわれるあの隈取りをした奸臣を思い出す。だが、それは曹操を観察する正しい方法ではない。……実は、曹操は大へん才幹のある人物で、少なくとも英雄というべき人であった。 ―魯迅慧眼よく英雄を識る東漢の末期といえば西暦紀元二世紀の中葉であるが、その頃漢の朝廷では宦官が権力をほしいままにして、正直の士を殺害し、農民を収奪していたため、...
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……曹操というと、すぐに『三国志演義』を連想し、それからまた芝居の舞台にあらわれるあの隈取りをした奸臣を思い出す。だが、それは曹操を観察する正しい方法ではない。……実は、曹操は大へん才幹のある人物で、少なくとも英雄というべき人であった。 ―魯迅慧眼よく英雄を識る東漢の末期といえば西暦紀元二世紀の中葉であるが、その頃漢の朝廷では宦官が権力をほしいままにして、正直の士を殺害し、農民を収奪していたため、...