むかしある人、いつも字をいいかげんにくずして書くくせがあったが、原稿の執筆に興がのってきたりするとそれこそひどい字を書きなぐった。ある日その人は弟子に原稿の清書を言いつけた。弟子はしさいに目をとおしたが、読めない字がたくさんあるので先生のところへたずねにいった。その先生、首をひねっていっときながめていたが、「なぜもっとはやくもってこない。いまになっては、わしにもわからんぞ」...
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むかしある人、いつも字をいいかげんにくずして書くくせがあったが、原稿の執筆に興がのってきたりするとそれこそひどい字を書きなぐった。ある日その人は弟子に原稿の清書を言いつけた。弟子はしさいに目をとおしたが、読めない字がたくさんあるので先生のところへたずねにいった。その先生、首をひねっていっときながめていたが、「なぜもっとはやくもってこない。いまになっては、わしにもわからんぞ」...