宋汝窯のこの三足香炉は七筋の弦文と三つの足をもち、漢代の銅奩にかたどったその形に古朴の味わいがある。釉はうすく、素地をすかしてかすかに淡紅色をみせながら、全体は粉青色を呈している。これはある文献にいう卵白色とはことなるものだし、また、瑩厚なること堆脂の如しというのともことなっていて、むらのない一色からなり、とくに清純な感じのするところは、ふつうの官窯磁器のおよぶところでない。汝窯の伝世品には底の浅...
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宋汝窯のこの三足香炉は七筋の弦文と三つの足をもち、漢代の銅奩にかたどったその形に古朴の味わいがある。釉はうすく、素地をすかしてかすかに淡紅色をみせながら、全体は粉青色を呈している。これはある文献にいう卵白色とはことなるものだし、また、瑩厚なること堆脂の如しというのともことなっていて、むらのない一色からなり、とくに清純な感じのするところは、ふつうの官窯磁器のおよぶところでない。汝窯の伝世品には底の浅...