張(チヤン)じいさんも李(リー)じいさんも、自分の耳のたしかなことが自慢だった。張じいさんが、「向かい風なら一里先の物音がきこえる」といえば、李じいさんも、「五間先でもなきごえひとつで、蚊のオスかメスかがわかる」と負けない。ある日、ツリざおをかついだ張じいさんが、川ばたで李じいさんとばったり出会った。李じいさんが声をかけた。「やあ、ツリにいくのかい」張じいさんは首をよこにふってこたえた。「いいや、...
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張(チヤン)じいさんも李(リー)じいさんも、自分の耳のたしかなことが自慢だった。張じいさんが、「向かい風なら一里先の物音がきこえる」といえば、李じいさんも、「五間先でもなきごえひとつで、蚊のオスかメスかがわかる」と負けない。ある日、ツリざおをかついだ張じいさんが、川ばたで李じいさんとばったり出会った。李じいさんが声をかけた。「やあ、ツリにいくのかい」張じいさんは首をよこにふってこたえた。「いいや、...