ある日、一匹のノミがウシの鼻先にとまった。頭をあげてあたりを見まわしたが、なにも見えない。すっかり得意になったノミは、後足をふんばり、前足で口のあたりをぬぐってからおごそかに宣言した。「世界にノミより大きな動物はいないのである!」そこへミツバチがとんできて、笑いながら言った。「おやおや、おまえさんはいったい、どこに立っているとお思いかね」ノミはあたりを見まわし、いかにも自信ありげに答えていった。「...
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ある日、一匹のノミがウシの鼻先にとまった。頭をあげてあたりを見まわしたが、なにも見えない。すっかり得意になったノミは、後足をふんばり、前足で口のあたりをぬぐってからおごそかに宣言した。「世界にノミより大きな動物はいないのである!」そこへミツバチがとんできて、笑いながら言った。「おやおや、おまえさんはいったい、どこに立っているとお思いかね」ノミはあたりを見まわし、いかにも自信ありげに答えていった。「...