春秋時代の有名な美人の西施は、あるとき胸の痛む病気にかかったので、人のまえでもよく両手を胸元にあて、眉をしかめていた。それでも人びとは口々にその美しさをたたえた。同じ村に醜女が住んでいたが、西施が美しいのはてっきり眉をしかめるからだとおもい、それからは自分も人に会うたびに眉をしかめてみせた。村の人たちは恐れをなし、その女がいると道をさけてとおるようになった。 (呉耘 画)...
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春秋時代の有名な美人の西施は、あるとき胸の痛む病気にかかったので、人のまえでもよく両手を胸元にあて、眉をしかめていた。それでも人びとは口々にその美しさをたたえた。同じ村に醜女が住んでいたが、西施が美しいのはてっきり眉をしかめるからだとおもい、それからは自分も人に会うたびに眉をしかめてみせた。村の人たちは恐れをなし、その女がいると道をさけてとおるようになった。 (呉耘 画)...