中国の紙は漢代(紀元前二〇六~紀元二二九年)の蔡倫(ツアイルン)がその製法を発明してからすでに二千年あまりの歴史をもっている。古代の中国では、獣骨や亀の甲に文字を刻み、竹片や木片に文字をしるしていたが、のちには絹をもちいるようになった。漢初に「幡紙」というのがあったが、これは字を書くに用いた絹のことである。漢の成帝のころに、「赫蹏(けきてい)書」というものがあった。「赫蹏」というのは薄い小型の紙の...
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中国の紙は漢代(紀元前二〇六~紀元二二九年)の蔡倫(ツアイルン)がその製法を発明してからすでに二千年あまりの歴史をもっている。古代の中国では、獣骨や亀の甲に文字を刻み、竹片や木片に文字をしるしていたが、のちには絹をもちいるようになった。漢初に「幡紙」というのがあったが、これは字を書くに用いた絹のことである。漢の成帝のころに、「赫蹏(けきてい)書」というものがあった。「赫蹏」というのは薄い小型の紙の...