初夏のある一日、日本の芝居の話かなにかで、田漢さんから連絡かあり、広済寺へいった。広済寺には中国仏教協会の本部かおかれており、りっぱなお寺である。本堂の西側を塀でしきって、寺僧の宿房かならんでいる。案内の坊さんか、そのうちの一つの日除けの簾をかかげると、坊さんではないか坊主あたまの田漢さんが、ニコニコと迎える。「やあ、いらっしゃい。話をしたり、ちょっとものを書いたりするのには、もってこいでしょう?...
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初夏のある一日、日本の芝居の話かなにかで、田漢さんから連絡かあり、広済寺へいった。広済寺には中国仏教協会の本部かおかれており、りっぱなお寺である。本堂の西側を塀でしきって、寺僧の宿房かならんでいる。案内の坊さんか、そのうちの一つの日除けの簾をかかげると、坊さんではないか坊主あたまの田漢さんが、ニコニコと迎える。「やあ、いらっしゃい。話をしたり、ちょっとものを書いたりするのには、もってこいでしょう?...