北京(ペイチン)の前門外(チエンメン)に、「大柵欄」(ターシアーラル)という名の横町がある。そこには、何年何月開店と書きこんだ古びた金文字の看板をかかげたしにせの呉服屋やくつ屋、帽子屋、たばこ屋、茶店がならんでいる。有名な漢方薬のしにせ「同仁堂」もそのなかのひとつで、清の康煕七年、つまり一六六九年に開店したというのだから、二百九十三年の歴史になる。同仁堂は「楽(ユエ)家のしにせ」ともいわれて、その...
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北京(ペイチン)の前門外(チエンメン)に、「大柵欄」(ターシアーラル)という名の横町がある。そこには、何年何月開店と書きこんだ古びた金文字の看板をかかげたしにせの呉服屋やくつ屋、帽子屋、たばこ屋、茶店がならんでいる。有名な漢方薬のしにせ「同仁堂」もそのなかのひとつで、清の康煕七年、つまり一六六九年に開店したというのだから、二百九十三年の歴史になる。同仁堂は「楽(ユエ)家のしにせ」ともいわれて、その...