四月はじめのある土曜日の午後のこと。公園の通路を二人の子供が人波をかきわけながら走つていました。姉さんが弟を追つかけながら走つています。弟は小松(シヤオスン)といつて四つになります。まんまるいボールのような顔をして、ほつそりとした体に紺色に白い筋のはいつたセーラー服をき、お古のバンドを腰にしめて、バンドに「ピストル」をさしていました。ほんとうのことを言うと、それはピストルでもなんでもなかつたのです...
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四月はじめのある土曜日の午後のこと。公園の通路を二人の子供が人波をかきわけながら走つていました。姉さんが弟を追つかけながら走つています。弟は小松(シヤオスン)といつて四つになります。まんまるいボールのような顔をして、ほつそりとした体に紺色に白い筋のはいつたセーラー服をき、お古のバンドを腰にしめて、バンドに「ピストル」をさしていました。ほんとうのことを言うと、それはピストルでもなんでもなかつたのです...