ぼくは運転司令室の運転司令員だ。三カ月あまりまえのある朝、わたしは赤鉛筆と青鉛筆をていねいに削ると、ダイヤグラムに三角定規をあてて線をかきいれていた。線と線との緊密なつながり、入り組んだ線が紙の上に描き出す濃淡のつりあい、そうしたものを追いながら描きあげられたダイヤグラムには、図案的な美しさがある。まくは仕事に没頭していた。そこへ突然、運転司令室の主任がはいつてきて、ぼくの肩を軽く叩いた。「許(シ...
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ぼくは運転司令室の運転司令員だ。三カ月あまりまえのある朝、わたしは赤鉛筆と青鉛筆をていねいに削ると、ダイヤグラムに三角定規をあてて線をかきいれていた。線と線との緊密なつながり、入り組んだ線が紙の上に描き出す濃淡のつりあい、そうしたものを追いながら描きあげられたダイヤグラムには、図案的な美しさがある。まくは仕事に没頭していた。そこへ突然、運転司令室の主任がはいつてきて、ぼくの肩を軽く叩いた。「許(シ...