あてのはずれたラマある日、兎と鷹と狐が木陰にあつまつて話をしていると、お詣りをすませて帰つてくるラマの姿が見えた。「ラマは金銭をいやしみ、殺生をやらないとか聞いているが、今日はひとつほんとうかどうかためしてみようじやないか」と兎が言つた。鷹も狐も兎の言うことに賛成し、兎の考え出した方法でやつてみようと林を出た。ラマはずだぶくろを背負い、手には大きな数珠をもち、念仏をとなえながら歩いてきた。ひよいと...
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あてのはずれたラマある日、兎と鷹と狐が木陰にあつまつて話をしていると、お詣りをすませて帰つてくるラマの姿が見えた。「ラマは金銭をいやしみ、殺生をやらないとか聞いているが、今日はひとつほんとうかどうかためしてみようじやないか」と兎が言つた。鷹も狐も兎の言うことに賛成し、兎の考え出した方法でやつてみようと林を出た。ラマはずだぶくろを背負い、手には大きな数珠をもち、念仏をとなえながら歩いてきた。ひよいと...