党にみちびかれて

卓球国際試合の熱戦がくりひろげられていた。中国の李富栄（リーフーロン）選手は新人にも似あわぬ落ちついた試合ぶりで、得意のサーブとアタツクをきかせながら着々とリードしてゆく。だが相手もさるもの、カツトのあいまに猛烈な打込みをくわえて、ぐんぐん迫つてくる。第四セツトがおわつたときは二勝二敗の同点。最後のセツトをつぎにひかえて、休憩中も双方はひじように緊張していた。と、そのとき、さきほどまで中国チームの...