むかしむかしのことです。プーラ村はほんとうに美しい所でした。周囲十何里の山やまには桃の木がびつしり生えており、村の前をきれいに澄んだ小川が流れていました。そして小川のほとりは一面緑の田園がひろがつていました。毎年六月になると、山の桃が熟れて、大きな桃が枝もたわむほど鈴なりになり、そよ風が甘い香りを何十里も遠いところまで運んで行きます。あたりを通る人はみな足をとめて一息いれました。「ここへくると仙人...
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むかしむかしのことです。プーラ村はほんとうに美しい所でした。周囲十何里の山やまには桃の木がびつしり生えており、村の前をきれいに澄んだ小川が流れていました。そして小川のほとりは一面緑の田園がひろがつていました。毎年六月になると、山の桃が熟れて、大きな桃が枝もたわむほど鈴なりになり、そよ風が甘い香りを何十里も遠いところまで運んで行きます。あたりを通る人はみな足をとめて一息いれました。「ここへくると仙人...