紀元前十一世紀の中頃に商(殷)はほろんだ。これにとつて代つたのは、おくれて起こつた奴隷制国家の周であつた。商を滅ぼしたのち、周の支配はまだ強固なものとはいえなかつた。周の武王は商の都殷(イン)(今の河南(ホーナン)省安陽(アンヤン)県內)を奪い、また商の紂王を殺したが、彼らの勢力を根こそぎにできたわけではなく、紂王の子武庚がなお商族の余喘をたもつていた。やがて武王が没すると、武庚はこのときとばかり...
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紀元前十一世紀の中頃に商(殷)はほろんだ。これにとつて代つたのは、おくれて起こつた奴隷制国家の周であつた。商を滅ぼしたのち、周の支配はまだ強固なものとはいえなかつた。周の武王は商の都殷(イン)(今の河南(ホーナン)省安陽(アンヤン)県內)を奪い、また商の紂王を殺したが、彼らの勢力を根こそぎにできたわけではなく、紂王の子武庚がなお商族の余喘をたもつていた。やがて武王が没すると、武庚はこのときとばかり...