昔、次非(ツーフエイ)という英雄がいた。ある時、一振の宝剣を手にいれ、大喜びで舟に乘つて帰る途中、突然川の中程から蛟があらわれ、舟のまわりを泳ぎまわつた。たちまちにして大波がおこり、舟はあおりをくらつていまにもくつがえりそう。船上のものはみな肝をつぶして、ただあれよあれよと言うばかり。その時、次非は船頭に「そのもとの見るところ、舟はどうしてもたすからぬか」とたずねた。そして船頭が「もう絕望です」と...
Please login first!
昔、次非(ツーフエイ)という英雄がいた。ある時、一振の宝剣を手にいれ、大喜びで舟に乘つて帰る途中、突然川の中程から蛟があらわれ、舟のまわりを泳ぎまわつた。たちまちにして大波がおこり、舟はあおりをくらつていまにもくつがえりそう。船上のものはみな肝をつぶして、ただあれよあれよと言うばかり。その時、次非は船頭に「そのもとの見るところ、舟はどうしてもたすからぬか」とたずねた。そして船頭が「もう絕望です」と...