むかし、ヤマにひとりの金持ちの旦那がいた。欲張りな旦那は、まいにち昼も夜も、「あーあ、一つ大きな鉱脈をドカンとほりあてることができたらなあ」とそのことばかりを考えていた。旦那は大きな鉱脈をほりあてたい一心で、まるで気でもちがつたように、神様にいのつたり、易者にうらなつてもらつたりした。そうしたある晩のこと、旦那はこんな夢をみた。ヤマの神が旗をかついで、旦那のひらいている鉱山のそばの道をあるいてくる...
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むかし、ヤマにひとりの金持ちの旦那がいた。欲張りな旦那は、まいにち昼も夜も、「あーあ、一つ大きな鉱脈をドカンとほりあてることができたらなあ」とそのことばかりを考えていた。旦那は大きな鉱脈をほりあてたい一心で、まるで気でもちがつたように、神様にいのつたり、易者にうらなつてもらつたりした。そうしたある晩のこと、旦那はこんな夢をみた。ヤマの神が旗をかついで、旦那のひらいている鉱山のそばの道をあるいてくる...