むかしむかし、ある王国では、働く者が楽器をならして歌をうたうのを禁じ、歌い手という歌い手はみな宮殿にいつて、皇帝や大臣、将軍たちのためにだけうたうことをゆるされていました。で、歌い手のなかには、役人にとりたててもらおうと、よろこびいさんで宮殿に出かけるものもあれば、よい着物をきて、おいしいものが食べたさに、いそいそと宮殿にゆくものもありました。また、なかには、命が惜しいばかりに、つかいなれた楽器を...
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むかしむかし、ある王国では、働く者が楽器をならして歌をうたうのを禁じ、歌い手という歌い手はみな宮殿にいつて、皇帝や大臣、将軍たちのためにだけうたうことをゆるされていました。で、歌い手のなかには、役人にとりたててもらおうと、よろこびいさんで宮殿に出かけるものもあれば、よい着物をきて、おいしいものが食べたさに、いそいそと宮殿にゆくものもありました。また、なかには、命が惜しいばかりに、つかいなれた楽器を...