秦朝のころ、趙高(チヤオカオ)というたいへん橫暴な丞相がいた。ある日、人に命じて鹿を一頭、幼主胡亥(フーハイ)に献上させ、「これは馬でございます」と言つた。胡亥は「お前のいうのはまちがつている、これは鹿だよ」といつたが、趙高は馬だと言い張つてきかない。自分の目がどうかしているのかなと胡亥はひどく驚いて、側近の家來たちに、「お前たちは、これを鹿と思うか馬と思うか」とたずねた。するとたいていの家來が、...
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秦朝のころ、趙高(チヤオカオ)というたいへん橫暴な丞相がいた。ある日、人に命じて鹿を一頭、幼主胡亥(フーハイ)に献上させ、「これは馬でございます」と言つた。胡亥は「お前のいうのはまちがつている、これは鹿だよ」といつたが、趙高は馬だと言い張つてきかない。自分の目がどうかしているのかなと胡亥はひどく驚いて、側近の家來たちに、「お前たちは、これを鹿と思うか馬と思うか」とたずねた。するとたいていの家來が、...