むかしある男が銀三百両をもつていた。ある日、旅に出ようとしたが、銀三百両の始末にはたと困つた。男はそれをカメに入れ、庭に穴を掘つてうめたが、まだ安心ができない。そこで銀をうめた場所に立札をたてた。「ココニハ銀三百両ナシ」男はやつと安心して旅に出た。隣家の王二は、男が金をもつていることを知つていたので、翌日さつそく塀をのりこえてしのびこむと、くだんのカメを掘り出して、銀をそつくり盗み出した。が、帰り...
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むかしある男が銀三百両をもつていた。ある日、旅に出ようとしたが、銀三百両の始末にはたと困つた。男はそれをカメに入れ、庭に穴を掘つてうめたが、まだ安心ができない。そこで銀をうめた場所に立札をたてた。「ココニハ銀三百両ナシ」男はやつと安心して旅に出た。隣家の王二は、男が金をもつていることを知つていたので、翌日さつそく塀をのりこえてしのびこむと、くだんのカメを掘り出して、銀をそつくり盗み出した。が、帰り...