今から約九百年ほど前、宋(九六〇―一二七九)の科学者蘇頌(スースン)らが水運儀象台というものをつくつた。これは水車を動力とした自動運轉の天文台で、時計の脱進機に似通つた機械裝置をそなえていた。ヨーロツパではこの種の機械を天文時計とよんでいるが、後世の時計もこの基本原理にもとづいて作られたものである。だから蘇頌のつくつたこの天文時計は今日の時計の元祖といつてもよい。今日の時計でも、齒車の回轉につねに...
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今から約九百年ほど前、宋(九六〇―一二七九)の科学者蘇頌(スースン)らが水運儀象台というものをつくつた。これは水車を動力とした自動運轉の天文台で、時計の脱進機に似通つた機械裝置をそなえていた。ヨーロツパではこの種の機械を天文時計とよんでいるが、後世の時計もこの基本原理にもとづいて作られたものである。だから蘇頌のつくつたこの天文時計は今日の時計の元祖といつてもよい。今日の時計でも、齒車の回轉につねに...