昔ある国に残忍で乱暴な王がいました。国王はかぞえきれないほどたくさんの宝物をもつていました。けれどそのなかでも一番の宝は茶碗でした。それというのも、この宝の茶碗には美しい模樣がえがかれていたからです。しかしその模樣は肉眼では見えず、天眼鏡(てんがんきよう)を使つてやつとみえるほど、こまかいものでした。この茶碗は千年もまえに、名人とうたわれたある陶匠がつくつたものですが、おしいことにその技術はつたえ...
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昔ある国に残忍で乱暴な王がいました。国王はかぞえきれないほどたくさんの宝物をもつていました。けれどそのなかでも一番の宝は茶碗でした。それというのも、この宝の茶碗には美しい模樣がえがかれていたからです。しかしその模樣は肉眼では見えず、天眼鏡(てんがんきよう)を使つてやつとみえるほど、こまかいものでした。この茶碗は千年もまえに、名人とうたわれたある陶匠がつくつたものですが、おしいことにその技術はつたえ...