むかしむかしあるところに一人の男の子がおりました。両親(ふたおや)はとうに亡くなつて、兄夫婦といつしよにくらしていました。兄夫婦はこの弟につらくあたりました。食べものといえば兄夫婦が食べのこしたものしかあたえず、着物はボロボロの着物をきせ、夜は牛小屋の干草のなかに寢かせました。この男の子には名前はありませんでしたが、村の人たちはこの男の子がいつも牛の番をしているところから牛郞(ニユウラン)とよんで...
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むかしむかしあるところに一人の男の子がおりました。両親(ふたおや)はとうに亡くなつて、兄夫婦といつしよにくらしていました。兄夫婦はこの弟につらくあたりました。食べものといえば兄夫婦が食べのこしたものしかあたえず、着物はボロボロの着物をきせ、夜は牛小屋の干草のなかに寢かせました。この男の子には名前はありませんでしたが、村の人たちはこの男の子がいつも牛の番をしているところから牛郞(ニユウラン)とよんで...