ある宝石屋の主人が店頭にすばらしい宝石をかざつた。宝石をひきたたすために紫檀の小箱にいれてあつたが、その小箱には見事なバラの花の浮彫がほどこされ、ところどころにヒスイまではめこんである。それだけではない。めずらしい香料をたきこんで、小箱は芳香をはなつていた。店の主人は、これでしこたまもうかるにちがいないと、ほくほくもので客のくるのを待つた。案の定宝石はくる客くる客の注意をひいたらしかつた。ある日、...
Please login first!
ある宝石屋の主人が店頭にすばらしい宝石をかざつた。宝石をひきたたすために紫檀の小箱にいれてあつたが、その小箱には見事なバラの花の浮彫がほどこされ、ところどころにヒスイまではめこんである。それだけではない。めずらしい香料をたきこんで、小箱は芳香をはなつていた。店の主人は、これでしこたまもうかるにちがいないと、ほくほくもので客のくるのを待つた。案の定宝石はくる客くる客の注意をひいたらしかつた。ある日、...