あるところに高い山がありました。山の上にはどんな藥草でも生えているので、藥草山とよばれていました。藥草山はだれもてつぺんまで登つたものがいないので、どれほど高い山か見当がつきませんでした。むかし、この藥草山のふもとの村に、びんぼう人の夫婦がすんでいました。ある年赤ん坊が生まれたので、夫婦は大そうよろこびましたが、びんぼう人の家に生まれた子供のゆく末をかんがえると、暗い氣持にもなります。けれど母親が...
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あるところに高い山がありました。山の上にはどんな藥草でも生えているので、藥草山とよばれていました。藥草山はだれもてつぺんまで登つたものがいないので、どれほど高い山か見当がつきませんでした。むかし、この藥草山のふもとの村に、びんぼう人の夫婦がすんでいました。ある年赤ん坊が生まれたので、夫婦は大そうよろこびましたが、びんぼう人の家に生まれた子供のゆく末をかんがえると、暗い氣持にもなります。けれど母親が...