むかし黃金に憑かれた男がいた。その男がある日町へ行つて黃金をあきなう店にはいつた。店にはまばゆいほどにかがやく金塊がならべてあつた。見れば見るほどたまらなくなり、そのうちのひとつをつかんですばやく店から出ていつたが、すぐにとつつかまつてしまつた。「晝の日なかにぬすみをはたらくとはずぶとい奴だ。人がいるのがわからなかつたか」といわれ、「ちえツ、金塊をおがんだ日にや、人間なんか目にはいるかつてんだ」...
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むかし黃金に憑かれた男がいた。その男がある日町へ行つて黃金をあきなう店にはいつた。店にはまばゆいほどにかがやく金塊がならべてあつた。見れば見るほどたまらなくなり、そのうちのひとつをつかんですばやく店から出ていつたが、すぐにとつつかまつてしまつた。「晝の日なかにぬすみをはたらくとはずぶとい奴だ。人がいるのがわからなかつたか」といわれ、「ちえツ、金塊をおがんだ日にや、人間なんか目にはいるかつてんだ」...