曠野の開拓

中國の北のはての黑龍江（こくりゆうこう）（へイロンチヤン）省ではいま大がかりな開こんがはじまつていて、未墾地がながい眠りからよびさまされている。百年まえの黑龍江省一帶は、見わたすかぎり人煙もまれな大草原であつた。わずかな遊牧民の姿をみかけるほか、畑で働く人の姿は全然みえなかつた。淸朝の皇帝は、税收をふやし、國境の守りをかためるため、前世紀の六〇年代になつてやつとこの草原地帶を開放し、農民の移住を許...