楚の荊王は戰爭がなによりも好きで、しよつちゆう隣國をおかした。ある日、田賛という人がふたん着のままで荊王にまみえた。『そちはまたひどく見苦しいものを着ておるな。』王の言葉に田賛は答えた。『仰せの通り、わたくしの着物は見栄えがいたしませぬが、世の中にはもつといやな着物がございます。』それはどのような着物かと問う王に、田賛はこう答えた。『武士のつけている甲胄は、わたくしの布衣よりもいつそうみんなからき...
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楚の荊王は戰爭がなによりも好きで、しよつちゆう隣國をおかした。ある日、田賛という人がふたん着のままで荊王にまみえた。『そちはまたひどく見苦しいものを着ておるな。』王の言葉に田賛は答えた。『仰せの通り、わたくしの着物は見栄えがいたしませぬが、世の中にはもつといやな着物がございます。』それはどのような着物かと問う王に、田賛はこう答えた。『武士のつけている甲胄は、わたくしの布衣よりもいつそうみんなからき...