わたしたちの一行はラサをあとにして、できたばかりの自動車道路をシガツエ(日喀則)へと向つた。車窓から眺めると、田んぼには一面黄金色の穀物の束がつみあげてあり、平らな屋根のうえで脱穀している男女の姿がみうけられ、どこもかしこも豊作らしい風景だ。切り立つたような、赤い岩肌をむきだした峽谷をすぎると、ヤンバージン(羊八井)付近の高原の牧場へと入る。そこには、おびただしいヤクや綿羊の群が、波うつ大海原のよ...
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わたしたちの一行はラサをあとにして、できたばかりの自動車道路をシガツエ(日喀則)へと向つた。車窓から眺めると、田んぼには一面黄金色の穀物の束がつみあげてあり、平らな屋根のうえで脱穀している男女の姿がみうけられ、どこもかしこも豊作らしい風景だ。切り立つたような、赤い岩肌をむきだした峽谷をすぎると、ヤンバージン(羊八井)付近の高原の牧場へと入る。そこには、おびただしいヤクや綿羊の群が、波うつ大海原のよ...