李時珍は十六世紀の中國にあらわれた偉大な藥物学者である。その著『本草綱日』は中國の古代藥物学におけるもつともすぐれた著作であり、近代医学の発展にも大きく貢献した。中國は世界でもつとも早く医学の発達した國の一つであつて、古代医学のおもな部門をしめた『本草』(藥物学)は、漢の初め(紀元前一世紀)にははやくも独立した学問となつていた。三世紀以後インドの藥物治療法がつたえられてからは、中國の藥物学は內容的...
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李時珍は十六世紀の中國にあらわれた偉大な藥物学者である。その著『本草綱日』は中國の古代藥物学におけるもつともすぐれた著作であり、近代医学の発展にも大きく貢献した。中國は世界でもつとも早く医学の発達した國の一つであつて、古代医学のおもな部門をしめた『本草』(藥物学)は、漢の初め(紀元前一世紀)にははやくも独立した学問となつていた。三世紀以後インドの藥物治療法がつたえられてからは、中國の藥物学は內容的...