私の拙文が初めて本になったのは、一九八七年に東京の東方書店から出版された『わたしの北京風物誌』である。作家の陳舜臣氏はこの本に、序を書いてくださった。同じ台湾出身という同郷のよしみからだろうか、陳氏はなにかと私に目を掛けてくださっている。私に読ませたい陳氏の本が出版されると、サインを添えて、人に託して送ってきてくれる。本もさることながら、その扉のページに書かれた見事な、柔らかい筆致の毛筆のサインに...
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私の拙文が初めて本になったのは、一九八七年に東京の東方書店から出版された『わたしの北京風物誌』である。作家の陳舜臣氏はこの本に、序を書いてくださった。同じ台湾出身という同郷のよしみからだろうか、陳氏はなにかと私に目を掛けてくださっている。私に読ませたい陳氏の本が出版されると、サインを添えて、人に託して送ってきてくれる。本もさることながら、その扉のページに書かれた見事な、柔らかい筆致の毛筆のサインに...