色彩の魔術師、梅原竜三郎(一八八八~一九八六年)は、北京を六回訪れている。そして、多くの傑作を残したが、六回の訪問のうち五回は、秋の北京だった。美しいものしか描かないという梅原は、北京の何に美しさを感じたのだろうか。おそらく北京の秋、とりわけその空だったと思う。梅原は、北京の秋の空についてこう書いている。「秋の高い空に興味をもった。何だか音楽を聞いているような空だった」秋の陽に輝く紫禁城の黄色の瑠...
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色彩の魔術師、梅原竜三郎(一八八八~一九八六年)は、北京を六回訪れている。そして、多くの傑作を残したが、六回の訪問のうち五回は、秋の北京だった。美しいものしか描かないという梅原は、北京の何に美しさを感じたのだろうか。おそらく北京の秋、とりわけその空だったと思う。梅原は、北京の秋の空についてこう書いている。「秋の高い空に興味をもった。何だか音楽を聞いているような空だった」秋の陽に輝く紫禁城の黄色の瑠...