中国最後の封建王朝である清のラストエンペラーで、かいらい満州国皇帝だった溥儀の弟の溥傑さん(一九〇七~一九九三年)との初対面は、混みあうバスの中だった。一九八〇年代のことである。私は北京史研究会という市民団体の会員で、溥傑さんはこの会の役員をしていた。溥傑さんも、私もこの会の会議に向かう途中だった。新聞やテレビで溥傑さんの顔をみて知っていた私はバスを降りると「溥傑先生、北京史研究会の会議ですか」と...
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中国最後の封建王朝である清のラストエンペラーで、かいらい満州国皇帝だった溥儀の弟の溥傑さん(一九〇七~一九九三年)との初対面は、混みあうバスの中だった。一九八〇年代のことである。私は北京史研究会という市民団体の会員で、溥傑さんはこの会の役員をしていた。溥傑さんも、私もこの会の会議に向かう途中だった。新聞やテレビで溥傑さんの顔をみて知っていた私はバスを降りると「溥傑先生、北京史研究会の会議ですか」と...