「和(わ)を貴(たつと)しと為(な)す」―二千余年の風雪を経てきた孔子(紀元前五五二~四七九年)のこのことばは、いまも中国人の心に深く根を下している。おそらく世界のどの国、どの地方のことばに訳しても、その国、その地方の人でこのことばに異をとなえる人はいないだろう。孔子が「貴し」とする「和」には、まず人と人との和、人と大自然との和……があったと思う。だが、もうすぐ過ぎ去ろうとしている二十世紀、人と人...
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「和(わ)を貴(たつと)しと為(な)す」―二千余年の風雪を経てきた孔子(紀元前五五二~四七九年)のこのことばは、いまも中国人の心に深く根を下している。おそらく世界のどの国、どの地方のことばに訳しても、その国、その地方の人でこのことばに異をとなえる人はいないだろう。孔子が「貴し」とする「和」には、まず人と人との和、人と大自然との和……があったと思う。だが、もうすぐ過ぎ去ろうとしている二十世紀、人と人...