十年一昔という。ふと十年前にはなにをしていたかなと考える。一九八七年の末に北京放送の東京支局長として日本に赴任しているので、日本にいたことになる。この年の四月には、東京の東方書店から『わたしの北京風物誌』という本をだしている。この本はわたしにとって遅まきながらいわば「処女作」だったので、「十年一昔」を感じさせるいろいろの思い出がある。この本には、陳舜臣さんが序を寄せてくださった。その中で陳さんはこ...
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十年一昔という。ふと十年前にはなにをしていたかなと考える。一九八七年の末に北京放送の東京支局長として日本に赴任しているので、日本にいたことになる。この年の四月には、東京の東方書店から『わたしの北京風物誌』という本をだしている。この本はわたしにとって遅まきながらいわば「処女作」だったので、「十年一昔」を感じさせるいろいろの思い出がある。この本には、陳舜臣さんが序を寄せてくださった。その中で陳さんはこ...