飢えに泣く赤子をほっておけなかった青姑はとうとう……ある暑い夏の日のことである。刈り取りが終わって黒い地肌を出した田ん圃では、はやくも晩稲の田植えの準備が始まっていて、金竜が焼けつく日差しのなかをせっせと田を耕していた。赤銅色に変わった背中からは吹き出した汗がしたたり落ち、田ん圃の畦では、はいつくばった赤ん坊の泣き声がぎゃーぎゃー聞こえていたが、その声もどうやらかすれてきたようだ。この赤ん坊は金竜...
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飢えに泣く赤子をほっておけなかった青姑はとうとう……ある暑い夏の日のことである。刈り取りが終わって黒い地肌を出した田ん圃では、はやくも晩稲の田植えの準備が始まっていて、金竜が焼けつく日差しのなかをせっせと田を耕していた。赤銅色に変わった背中からは吹き出した汗がしたたり落ち、田ん圃の畦では、はいつくばった赤ん坊の泣き声がぎゃーぎゃー聞こえていたが、その声もどうやらかすれてきたようだ。この赤ん坊は金竜...