牡丹江から小さな森林列車に数時間揺られて、夾皮溝(ジャーピーゴウ)という、黒竜江省でも山奥の村に着いた。雪をかぶった家々が、夕日に浮かび上がっていた。そのほとんどが一戸建てで、大小の木でつくった垣根を周囲にめぐらせている。かわいらしい門の柱には、春を迎える赤い対聯が張ってある。私は、王さんという家の門をくぐった。家のドアは二重になっていた。外側を「風門」と呼ぶのは風よけの門だからであり、内側を「板...
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牡丹江から小さな森林列車に数時間揺られて、夾皮溝(ジャーピーゴウ)という、黒竜江省でも山奥の村に着いた。雪をかぶった家々が、夕日に浮かび上がっていた。そのほとんどが一戸建てで、大小の木でつくった垣根を周囲にめぐらせている。かわいらしい門の柱には、春を迎える赤い対聯が張ってある。私は、王さんという家の門をくぐった。家のドアは二重になっていた。外側を「風門」と呼ぶのは風よけの門だからであり、内側を「板...