一九四九年以後に生まれた中国人は、テレビや映画でしか質屋を知らない。牢獄のような入り口、高いカウンター、ずるがしこくて残忍非情な店主、生活に困窮して質入れに来るあわれな人びと……なにやら無気味で陰気だ。質屋が姿を消し鳴りをひそめてから半世紀になる。ところが、一九九二年の十一月二十日、北京の繁華街の一角に、「金保典当行」の看板がまたまた上がったのだ。若い人たちは、一体なんだろうと店に入ってあれこれ聞...
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一九四九年以後に生まれた中国人は、テレビや映画でしか質屋を知らない。牢獄のような入り口、高いカウンター、ずるがしこくて残忍非情な店主、生活に困窮して質入れに来るあわれな人びと……なにやら無気味で陰気だ。質屋が姿を消し鳴りをひそめてから半世紀になる。ところが、一九九二年の十一月二十日、北京の繁華街の一角に、「金保典当行」の看板がまたまた上がったのだ。若い人たちは、一体なんだろうと店に入ってあれこれ聞...