刻本『冠軍帖』は、漢代の張芝の手になるものという。書体は草書。字数は5行31字。北京図書館が現在所蔵する宋代に拓本、そして表装された『絳帖』に載ったものである。張芝は字を伯英といい、敦煌淵泉の人。漢代の著名な書家で、「草聖」といわれた人だ。生まれは不詳だが、後漢の献帝初平3年(192)に没している。『冠軍帖』は、張芝の草書の傑作といっていい。何度ながめても雄渾な気勢を常に感じさせ、まさに絶品。一筆...
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刻本『冠軍帖』は、漢代の張芝の手になるものという。書体は草書。字数は5行31字。北京図書館が現在所蔵する宋代に拓本、そして表装された『絳帖』に載ったものである。張芝は字を伯英といい、敦煌淵泉の人。漢代の著名な書家で、「草聖」といわれた人だ。生まれは不詳だが、後漢の献帝初平3年(192)に没している。『冠軍帖』は、張芝の草書の傑作といっていい。何度ながめても雄渾な気勢を常に感じさせ、まさに絶品。一筆...