一九二〇年代の北京をうつした『旧京大観』にのっぽビルはほとんど見当たらない。当時は住宅の九割が平家だったという調査もあって、胡同は、門をあければ一歩で出られる通路だった。ところが、ここ数十年来、とくにこの数年の間に、北京の町にはにょきにょきと高層ビルが建ち並び、広い自動車道が縦横に張りめぐらされて、近代都市と歴史古城が交錯する情況が出現した。第二環状道路を建設した七〇年代に、西直門や東直門などの城...
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一九二〇年代の北京をうつした『旧京大観』にのっぽビルはほとんど見当たらない。当時は住宅の九割が平家だったという調査もあって、胡同は、門をあければ一歩で出られる通路だった。ところが、ここ数十年来、とくにこの数年の間に、北京の町にはにょきにょきと高層ビルが建ち並び、広い自動車道が縦横に張りめぐらされて、近代都市と歴史古城が交錯する情況が出現した。第二環状道路を建設した七〇年代に、西直門や東直門などの城...