鴻雁は最も有名な渡り鳥で、秋になると南にやってきて、翌年春北に帰って行く。この習性に、古人は精神的な意味を与えた。漢の武帝の時代、匈奴に使した蘇武は、囚われの身となってバイカル湖畔の荒野で羊の世話をさせられたが、帛(はく)(絹)に書いた手紙を鴻雁の足に結んで皇帝にわが身の境遇を知らせ、19年後ついに故郷に帰ることができた。この故事から鴻雁は手紙とかかわるようになり、「雁帛」「雁書」「来鴻」などとい...
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鴻雁は最も有名な渡り鳥で、秋になると南にやってきて、翌年春北に帰って行く。この習性に、古人は精神的な意味を与えた。漢の武帝の時代、匈奴に使した蘇武は、囚われの身となってバイカル湖畔の荒野で羊の世話をさせられたが、帛(はく)(絹)に書いた手紙を鴻雁の足に結んで皇帝にわが身の境遇を知らせ、19年後ついに故郷に帰ることができた。この故事から鴻雁は手紙とかかわるようになり、「雁帛」「雁書」「来鴻」などとい...