北京城の北の護(まも)りとも言える八達嶺長城のふもとに、ひっそりと残るのが居庸関遺跡。あわただしい旅程では、この由緒ある関所も、すどおりしてしまいかねない。一九七二年、内蒙古のホリンゲル県で発掘された漢代の墓から一枚の壁画が発見された。関所をゆきかう人と車馬とを描いた生き生きとした場景で、画面の上には「居庸関」の三字が認められたのである。とおく漢代に、華北の大平原とモンゴルの高原とを結ぶ交易の道が...
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北京城の北の護(まも)りとも言える八達嶺長城のふもとに、ひっそりと残るのが居庸関遺跡。あわただしい旅程では、この由緒ある関所も、すどおりしてしまいかねない。一九七二年、内蒙古のホリンゲル県で発掘された漢代の墓から一枚の壁画が発見された。関所をゆきかう人と車馬とを描いた生き生きとした場景で、画面の上には「居庸関」の三字が認められたのである。とおく漢代に、華北の大平原とモンゴルの高原とを結ぶ交易の道が...