近年、東西文化交流の証左となる遺物の考古学的発見がなされているが、今月号の芝鹿紋銀盤はその傑作のひとつだ。一九八四年三月、河北省寛城県大野峪村から出土した。直径五〇センチ、高さ一〇センチ、盤(平皿)の真ん中に芝角をもつ鹿が遊ぶ。そして長さ七·六センチ、巻葉状の足三本が盤を支える。縁の文様、鹿とも上質の金でほどこされている。一見すると、この盤は人々に奇異な印象を残す。異国情緒をにおわせるその形が中国...
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近年、東西文化交流の証左となる遺物の考古学的発見がなされているが、今月号の芝鹿紋銀盤はその傑作のひとつだ。一九八四年三月、河北省寛城県大野峪村から出土した。直径五〇センチ、高さ一〇センチ、盤(平皿)の真ん中に芝角をもつ鹿が遊ぶ。そして長さ七·六センチ、巻葉状の足三本が盤を支える。縁の文様、鹿とも上質の金でほどこされている。一見すると、この盤は人々に奇異な印象を残す。異国情緒をにおわせるその形が中国...