「文房四宝」といえば、まず硯(すずり)。書をたしなむほどの者なら、あこがれの「古端渓(こたんけい)」を文机にそなえ置きたいと思うのが“人情”。ところがである。“人情”とはいっても、この一件は許せない、と改めて人びとの怒りをかった、硯にまつわる話をひとつ。「古端渓」の中でも、石眼(せきがん)とよばれる斑紋が数多く彫り出されたものは、美術工芸品としての価値も高い。石眼が石のどのあたりに密集しているかは...
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「文房四宝」といえば、まず硯(すずり)。書をたしなむほどの者なら、あこがれの「古端渓(こたんけい)」を文机にそなえ置きたいと思うのが“人情”。ところがである。“人情”とはいっても、この一件は許せない、と改めて人びとの怒りをかった、硯にまつわる話をひとつ。「古端渓」の中でも、石眼(せきがん)とよばれる斑紋が数多く彫り出されたものは、美術工芸品としての価値も高い。石眼が石のどのあたりに密集しているかは...