南北朝時代、苻融という人がいて、冀州の県令を勤めていた。ある日のこと、日が暮れてあたりはまっ暗。ある老女が路上で追いはぎにあった。老女は叫んだ。「助けて! 追いはぎを捕まえて!」そこへ通りかかった男、叫び声を聞くや身を翻して、逃げていく追いはぎを追っかけ、取り押さえた。ところが、その追いはぎ、追いかけた男にさかねじを食わせた、「おまえこそ追いはぎだ」と。やみ夜のこととて、シロ、クロの判別も困難、二...
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南北朝時代、苻融という人がいて、冀州の県令を勤めていた。ある日のこと、日が暮れてあたりはまっ暗。ある老女が路上で追いはぎにあった。老女は叫んだ。「助けて! 追いはぎを捕まえて!」そこへ通りかかった男、叫び声を聞くや身を翻して、逃げていく追いはぎを追っかけ、取り押さえた。ところが、その追いはぎ、追いかけた男にさかねじを食わせた、「おまえこそ追いはぎだ」と。やみ夜のこととて、シロ、クロの判別も困難、二...